今回も例のごとく、石垣の話をしていく
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伊賀上野城の魅力といえば、大阪城に次ぐ日本でに番目に高い石垣
高さが30Mを超えるというから驚きだ
これは本丸の石垣を堀の外から見た写真
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ご覧の通り、木が鬱蒼としており、なかなかいいポイントが見つからなかった
伊賀上野城の石垣をもっとアピールしたいなら、こういうところに観察するためのポイントを置くべきである
算木積みは完成されており、蟻の入り込む隙間もないほどの精度である
さらにこの反り
これにより、地震にも耐える最強の防御機構であり、最強の美である石垣となる
これは、隣にある高校のすぐ近くのポイント
この高校生達は毎日これを舐める様に観察しているのであろう
そう考えると、僕の子供もこの高校に通わせたくなる
もう少し木の手入れをしてもらえると、高石垣と天守を写真に収められるのに
石垣の醍醐味の一つが天守台である
天守台の魅力は、いかに正確な形を作るか、という点にある
すなわち、天守台の形が与える、天守の形への影響はとても大きいのである
望楼型天守で、特に安土城や岡山城などは、正方形にする気もなく、不等辺多角形の天守となっている場合もある
しかし、関東を中心とする層塔型天守では、一階の形を最上階まで持ち上げるため、天守台の形がとても重要になる
つまり、石垣の技術だけで言えば、層塔型天守の方が難しいのである
伊賀上野城の天守台はほぼ完璧な正方形と言える
しかし、孕みだしが見られた
孕みだしの主な原因は水害や地震を主な原因といわれている
上の画像の石垣、中央部がやや膨らんでいるのが分かる
もちろん石垣にとっては不安定な状態で、好ましくない
しかし、石垣には隙間があるおかげで、孕みだしても膨らんだ状態で安定することもある
まさに水墨画の精神である
隙間をなくそうとする今の技術では耐えるか崩れるか二者択一である
隙間があることによって、少し傾くが止まるという柔軟さは発想として無くなってしまった
最後に本丸の向かい側にある石垣
隅櫓が建っていたであろう部分だが、算木積みはややあまい
初期の算木積みと思われる
石の加工もやや粗い打ち込み接ぎの乱積み
筒井氏時代の石垣かもしれない
人間が作ったものは全て限りがある
その中で100年前の兵どもが夢のあとを感じさせる石垣にはロマンがあふれている
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