関西は室町時代から江戸時代にかけては、かなりアツい土地で、とりわけお城に関しては、トレンドの発信地でもあった
今回は、観光客にも、地元民にもオススメのお城を、天守の美しさという観点から紹介したいと思う
まず、天守とは、というところだが、天守はお城の象徴といったところである
お城といえば天守のことを指すと思っている人も少なくない
しかし、実際には天守をあげることができたお城は多くない
天守をあげるだけの規模、財力など、選ばれた城のみが許されるものなのである
簡単にいえば、ある程度大きなお城にしか天守はないということだ

まずここだけは言っとけというお城は、和歌山県和歌山市にある、和歌山城である
築城者は豊富秀長、秀吉の弟である
様々な城主がそれぞれ改修を行い、最後が徳川頼宣ということで、今の姿は徳川らしい、連立式層塔型3重の天守となる

[0回]

連立式とは、その字の如く、天守と櫓を渡り櫓や多聞櫓で繋いだものである

天守から多聞櫓を見たらその構造は一目瞭然である
天守を含む多聞櫓が、一つの曲輪を形成している

また、層塔型というのは天守の上げ方の、いわゆる建築方式の名前である
天守はそもそも、入母屋造の上に望楼と呼ばれる物見櫓をのせたようなものであった
この建築方式では、入母屋造の屋根の部分が破風として残り、入母屋破風が必然的に生まれる
天守台の形にとらわれず、望楼さえ乗せてしまえば天守として成り立つので、比較的簡単に作ることができた
岡山城や安土城など、不等辺多角形の天守台の上に天守をあげられるのは、入母屋造の部分で正確な平面を作ることができるためである

これに対して層塔型とは、望楼と同じ形の建物を逓減的させ、重ねたものである
よって、1階の形がそのまま望楼に影響するので、正確に天守台を作る必要がある
さらに、構造上破風が発生しないため、わざと破風をつける
これを千鳥破風といい、多くは破風の間を作るためにわざわざ付けたものである

この和歌山城は元々は下見板張りの望楼型天守が建っていたと思われるが、今は漆喰塗籠の層塔型天守
しかも、長押型の入った格式高い形式となる


オススメのポイントは、岡口門越しに見た天守
この写真と同じアングルで撮った写真をデスクトップにしているくらいお気に入りのアングルである
ちなみに、岡口門の前にテーブルが出ていることがあるようで、けしからん！笑

南海本線和歌山市駅から徒歩約20分
参考見学時間は、マニアなら4時間、一般の方は40分程度
お城までの道もコンビニが数件あり、食べ物やトイレには困らない
また、城内に動物園もあり、子連れのお客さんも多い


次にオススメしたいのは、やはり大阪城

特に、夜の大阪城は一度は訪れて欲しい
大阪城は複合式の望楼型5重天守
築城者は言わずもがな豊臣秀吉
大坂夏の陣で敗れたのち、徳川家によって大改修が行われた
その姿が今の大阪城である
しかし、この天守を見て、もうお気づきかと思うが、天守が望楼型なのである
徳川家の立てる近代天守ではなく
実は、昭和時代に鉄筋コンクリートにより再建される際に、外観は徳川っぽい漆喰塗籠、形式はやはり太閤さんということで、望楼型となったのである
この写真で見ると、一回の屋根の上に入母屋破風がある
その横の千鳥破風は構造上は必要ない飾りの破風である

大阪城は、敷地が広い分、天守以外にもたくさんの見所がある
例えば、徳川時代から残る櫓があったり

日本で一番高い石垣があったり

信じられないくらい大きな石があったり
 
とても1日では見切れないお城
僕に関していえば、このブログを書き始めてから数えても3回行っている
もちろん、その都度テーマを決めて、見るポイントを絞って挑むのである

JR環状線大阪城公園駅、大阪市営地下鉄中央線、谷町線の谷町四丁目駅から徒歩約10分
参考見学時間は、マニアは12時間、一般の方は1時間半といったところ


以上、関西でここだけは行っとけというお城を、天守にテーマを絞り紹介した
もちろん、他にもオススメのお城はたくさんあるので、別のテーマでも紹介していきたいと思う ×Close