観光目的の記事は
こちら
今回も石垣の観点から記事を書こうと思う
これまで、二条城編以降はやや個人的な趣味の方向へ向かっていた石垣編
今回はすこし基礎的な知識も交えていこうと思う
今回は南海和歌山市駅から徒歩で和歌山城へむかった
初めに見えるのが、砂の丸と呼ばれる曲輪の角
このお城との初対面となるが、とても几帳面な石垣と感じた
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形式としては、やや砕けた打ち込み接ぎの乱積みといったところ
高さは10Mほどと思われる
角はやや砕けた雰囲気の算木積みとなり、角度もややなだらかな感じ
特に際立った特徴もなく、一般的という言葉がしっくりくるのではないかと思う
観光客のほとんどは、ここから東へ折れ、大手門、もしくは勘定門から天守を目指すのだが、石垣マニアはもちろんそんな歩き方はしない
一つ一つの石に注意を向けながら、見ることのできる全ての石垣を見るべく、外堀を一周する
僕の場合、多くの場合で左回りをする
つまり、この場所から南へ向かった
すこし歩いた場所に、いきなり面白い場所を発見した
この石垣はちょうど堀が終わり、そのために高く積まれた部分
砂の丸の石垣である
本来は現在の中央通りの中程まであったそうだが、見ての通り石垣を切られている
個人的には無理やり切り取られた姿に笑いが止まらなかった
せっかくの石垣なのだから、もう少しやりようがあった気がする
この辺りの石垣は横目地の通った布積みとなり、明らかに高く積むことを意識していることがうかがえる
さらに回り込み、追廻門をこえたあたり
この辺りは横矢がかかるように石垣がギザギザに折り曲げられている
こうすることによって、石垣の真下に来た敵を攻撃することができるのである
石垣はとても頑丈だが、真下に入られると死角となるため、わざと折り曲げて横から攻撃するのである
今では建物が建って見えない部分が多いが、古地図で見ると、同じ方向に連続して折り曲げられる、屏風折りであることがわかる
それにしてもこの石垣の高さ
そして石の大きさ
ボルトもコンクリートも使わない建造物が100年もここにあり続けるなんて
ロマンの塊としか言いようがない
さらに歩き、南の丸のあたり
ここは不明門跡ということで、ここに門があった
現在は駐車場の入り口となっているが、桝形を観察することができる
この石垣はほとんど石の継ぎ目の見えない切込み接ぎという技法を用いた石垣
しかも横目地の通った布積みとなっていて、これ以上の石垣はないと言える
さらに注目は高さ
高石垣の多くは台地や崖など、自然の地形を利用する物が多く、大阪城や伊賀上野城もその例である
しかし、この石垣は見ての通り平地に築かれている
これだけ高い石垣に挟まれては、敵も怖気付いたものだろう
不明門を越えると、突如として公園が現れる
ここは空堀を利用しているようだ
今回は入らなかったが、石垣を近くで見れるため、次回行った際にはチェックしたい
家に帰り、古地図をみると、どうやら当時は水が入っていたようだ
この先の岡口門の前が暗渠になっており、水がこの堀にも来ていたようだ
こちらは大手門横の石垣
この堀は相当広く、幅が最大70Mほどだそう
手前はしっかり横目地の通った切込み接ぎの布積み、折り曲がった奥は乱積みとなる
算木積みも、初めに見た物よりもしっかりとしたものである
城を一周するだけでもこんなに豊富な石垣を観察できると、多くの人に知ってもらいたい
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